フライフィッシャー誌、DVD「タイトループス」、また各種洋書の翻訳などでおなじみ、人気インストラクターである東知憲(ひがしとものり)さんのスクールを行います。東さんは、海外の有名フライフィッシャーとの親交も深く、世界各地のフィールドを釣り歩くクレイジーでありながら、米国FFIが認定するマスターインストラクターと、ツーハンドインストラクターの資格を持ち、運営委員として試験の実施にも深くかかわっている、素晴らしい経歴のインストラクター。フライキャスティングって難しいイメージをお持ちの方が多いと思うのですが、実はラインが飛ぶ原理はとってもシンプル。解りやすいと好評のティーチングと楽しいトークを聞きながらスキルアップを目指しましょう。 基本をがっちりとマスターして頂くのが上達の近道なのです!! とっても楽しいスクールを企画しております。ご参加お待ちしてます!!
つながるフライキャスティング 楽しく、適度に難しく、ちょっとした努力さえすれば着実にうまくなっていくフライキャスティング。そのためには、指導の質がとても大事になってきていると実感します。YouTube を初めとして情報がゴチャマンと溢れすぎてしまっている今、質の高いインストラクションに出会う確率は、低くなってしまっているんです。「野」の中に良質のものがないとはいいませんが、うっかりミスリードされたり、回り道なんかはしたくありませんよね? ずっとフライキャスティング&釣りのことを考え続けている、信頼できるインストラクター(今回の場合はワタクシと加藤さん)の実地指導は、年イチの刺激としても欠かせないものになると思っています。
私は、どんな初心者に対しても、都合の良いウソは言わないように心がけています。FFI のインストラクターおよびそのプログラムを熟知している人たちなら全員、「フライキャスティングは時計の文字盤で1時から11時の間で振るんだよ」という類いの初心者向け指導がじつは便宜的なウソで、上達にしたがって捨て去るべきアイテムだということを知っています。ご指導する内容が何であれ、20年後に振り返っても、「あのときヒガシが言っていたことは、覚えておいて損はなかったな……」と実感されることを目指す指導です。
今年のスクール、骨子は例年と同様ですが、テーマを2つ掲げてみました。シングルとダブル、両方共通です。
○ ラインおよびリーダー内のテンションを意識したキャスティング
ラインテンションの管理とは、フライフィッシングの要諦でもあります。キャスティングと釣りの場面の両方で、必要なときにテンションを緩め(スラックを作り)、必要な時にテンションを上げる(スラックを取り除く)ことができれば、すべてがうまく行きます。シングルハンドとダブルハンドの両方に、それは適用されます!
○ 自分の釣りに合ったキャストを見極める
湖のリトリーブの釣りをするためのキャストに、大量のスラックは必要ありません。逆に、川のドライフライの釣りでティペットまで張り切ったキャストをしてしまうと、満足に魚は釣れないでしょう。ツーハンドのキャストにおいて、重たいフライを激流の中で沈めなければならない場合、スカンジナビアンのヘッドはまったく合っていません。上から下、すなわち「このメソッドを使いたいからこの釣りをする」ではなく、「こんな釣りを想定しているからこのメソッドを身につける」という考え方をお勧めします! ツーハンドの世界でいえば、英国の伝統的なダブルテーパーの釣りからどう変遷が起こってスカンジナビアン・キャストやスカジット・キャストが生まれていったのか、デルタシューティングってどういうことなのか、理解しておけば、自分が出るであろう現場にぴったり合ったメソッドを集中して磨くことができるはずです。 東 知憲